2011年03月31日

聶衛平さんインタビュー記事和訳


先日日本棋院所属の孔令文六段のインタビュー和訳記事を出しましたが、そのお父さんの中国棋院の重鎮・聶衛平さんインタビューが新浪新聞台湾に掲載されていたので今日はこちらを。
3月12日付の記事です。

(地震でなかなかゆっくり読めなかったんですが、読むと「塔矢行洋」ばりに? パワフルな方と感じられて面白かったです。)

例によって素人訳です。
訳のなかの※印は当方がつけた補注です。

sina.com.tw掲載の元記事
http://news.sina.com.tw/article/20110312/4259950.html

聶衛平(じょう・えいへい/Nie Weiping ニエ・ウェイピン: 1952年〜)
中国の囲碁棋士。
中国囲棋協会副主席、中国棋院技術顧問。
1980年代には日中スーパー囲碁などの国際棋戦で主将として「鉄のゴールキーパー」と呼ばれる活躍を見せ、古力・常昊ら現在のトップ棋士を育てるなど中国の囲碁の発展に寄与した。日本棋院所属の孔令文(こう・れいぶん)六段は実子。
1988年中国囲棋協会から名誉称号「棋聖」を授与された(タイトル称号ではない)。
聶衛平道場はこれまでに中国の約20箇所で2000人以上の囲碁少年を育てている。(oro囲碁の記事による)

インタビュー内容はこんな感じ・・・
◆「聶衛平旋風」はコピーできない
 (※現在の中国のプロ囲碁棋士について)
◆孫の碁に期待
 (※自身の娘と孫について)
◆檀嘯(タン・シアオ)は未来の世界チャンピオン
 (※聶衛平道場の弟子について)
◆何もなければ、寝るもんです。
 (※爆睡事件ほか)

 
以下インタビュー記事から翻訳・・・ここから。


記事タイトル:聶衛平、成都に囲碁を語る「今の棋士は『コミュニケーション力が低い』、ライバル探しが難しい」

北京新浪網 (2011-03-12 05:38)による

(※「コミュニケーション力が低い」は原文では「悶葫蘆[men4 hu2 lu]」。
成語辞典サイトによると、「相手に話や事情を分かるように伝えるのが難しい、その人や様子」の意。「もにゃもにゃして何を言いたいのか分からん」という感じ。ぴたっと来る日本語がありそうで見つからん・・・><)


「棋聖」聶衛平氏は十年来、西南棋王戦に欠場したことがない。彼はこの棋戦で最も歓迎されているスターである。
昨日(2011/03/11)今大会の開幕に際し、いつもウィットに富む聶衛平氏は成都商報の単独インタビューに答えた。
氏の子どもや孫の碁についてだけでなく、未来の世界チャンピオンの人選も見据えた談話である。加えて氏は今年5月には成都で四川囲碁チームの助っ人として働く予定である。
「これが今のわたしが唯一四川の囲碁事情にできるサポートだから」。




◆「聶衛平旋風」はコピーできない

成都商報:中国チームは中日韓の国際棋戦で韓国に負けて成績がふるいません。目下中韓で最強の棋士は誰だとご覧になりますか?

聶衛平:総合的に見ると、我々中国が韓国に比べてひどく劣っているわけではありません。優勝の総数は中国のほうが多いのですから。団体戦での成績はなんとも言えませんが、先日の深センでの対抗戦での勝利は我々に希望を与えました。
(※3月7日に深センで開催された第一回招商地産杯 中韓団体対抗戦の第二ターム。)

成都商報:現在の国際棋戦とかつて聶衛平さんが出場された中日囲棋擂台賽(日中スーパー囲碁)にはどのような違いがありますか?
聶衛平:現在の棋戦への世間の注目度と影響力は当時の比ではないでしょう。私が出場した当時の棋戦には特定の歴史のカラーがありました。しかも中国と日本両国間の棋戦です。現在は中日韓の三国で、一種の対抗戦の性格が強く、「技量を披露する晴れ舞台(擂台[leitai])」の意味合いはそれほどありません。



成都商報:当時の中日擂台賽(日中スーパー囲碁)で「聶旋風」を巻き起こし、ご自身の力で中国の勝利を毟り取る活躍を見せました。現在の棋戦ではかつての聶衛平さんのような活躍を見せる中国棋士はいません。これはなぜでしょうか?

聶衛平:現在の棋士の棋戦への心構えは当時私が抱いていたものとは違います。ほかに重要なのは、彼らが何ものをも恐れない精神境地に達していないということです。
これは彼らと私の経歴の違いに拠るものでしょう。かつて私は農村に下放し大変な苦労をしました。文革(文化大革命)の経験は意志の鍛錬さえさせたものです。
現在のトップ棋士・・・常昊(じょう・こう/Chang Hao チャン・ハオ)、古力(こりき/Gu Li グ・リ)のような・・・は技術上は私を遥かに超えることができるでしょうが、このような人生経験がないので精神面でいささか違いがあるということです。



成都商報:未来の棋戦にあなたのような棋士が現れるでしょうか?

聶衛平:私をコピーしてもしようがないし、そういう人は現れないでしょう。


成都商報:あなたは現在囲碁の勝ち負けを重視されないそうですが・・・。

聶衛平:私が若ければ、現在の棋士よりもっと強烈な勝負魂をもてたでしょう。しかし現在の私は対局の過程を主に味わい楽しんでおり、結果に対してそれほど重きを置いていません。


 


◆孫の碁に期待


成都商報:英雄のお父様をもつ小さいお嬢さんの菲菲さんは碁を打ちますか?

聶衛平:少しだけね。私は教えないのですが道場の先生が教えます。


成都商報:どうして自らご指導なさらないのですか?


聶衛平:私には十分教えるだけの器がありません。自分と娘のレベルに差がありすぎて、遅かれ彼女をダメにしてしまうでしょう。きっと娘を厳しく叱って「なんでできないんだ!?」とやってしまうでしょうね。
ただ、彼女に見込みがあると見るときがくればそのときは、私は全力で彼女に教えるつもりです。


成都商報:見込みがあるというのはどういうレベルのことでしょうか?

聶衛平:プロ初段に近いということです。あの子がアマ6,7段位になれば私はきっと彼女によく教えられると思いますよ。


成都商報:先日、お孫さんの孔コ志さんが杭州に来られましたね。彼も碁を学んでいるそうですが、レベルは如何ですが?

聶衛平:孫の碁は息子の孔令文が教えています。
孫のレベルは菲菲より高いね、李赫(リ・ハ:中国のプロ女流棋士で国際棋戦に出場するトップレベル)に13子の置碁だから、5,6級レベルじゃないかな。
(※聶衛平氏の娘・菲菲さんと孫の孔コ志さんはともに6歳くらい。)



成都商報:お孫さんとお嬢さんそれぞれと碁を打つとしたら、何子のハンデを付けますか?

聶衛平:孫には13子、娘にはそれじゃ碁にならないだろうから20子置かせようかな!



成都商報:後々お嬢さんやお孫さんにプロ棋士の道を進ませたいと思われますか?

聶衛平:もし彼らが興味を持ったら。
孫がもし入りたいといえば(プロ養成を目的とする)私の道場にいれてもいいでしょう。
娘はIQが高くて学校の成績も良いから、彼女についてはプロ棋士の道がいいかどうか悩ましいところです。
将来の碁という点では、孫の方に期待しています。



 

◆檀嘯(タン・シアオ)は未来の世界チャンピオン

※檀嘯(だん・しょう/Tan Xiao タン・シアオ)1993年生まれ、五段。
http://igo.web.infoseek.co.jp/cgi-bin/namec/data/c0340.htm
(※リンク先のサイトでは「嘯」に「シュク」の読みを当てているが、この字は日本語の音読みでは普通「ショウ」と読む。)檀嘯は2010年夏の三星杯本戦1回戦で李昌鎬九段に2戦1勝1敗している。)


 

成都商報:現在多くの親が子どもに囲碁を習わせますが、プロの道は楽ではありません。
この事についてどのようなご意見がありますか?

聶衛平:囲碁には才能と堅忍不抜の努力だけでなく、運気もいりますし、自身を導いてくれる後ろ盾も必要です。



成都商報:運気と後ろ盾とはどういうことでしょう?


聶衛平:運気は人によって異なるものですが重要です。たとえば私は子どものころ陳老総のことを知りませんでしたが、陳先生は私に特別目をかけてくださっていました。陳先生との巡り合わせがなければ今の私はありえなかったでしょう。

(※陳先生は陳 毅(ちん き/ Chen Yi チェン・イー)のこと。中国の政治家、副総理。聶衛平は9歳のとき陳毅と対局している。陳毅は日本との国交正常化に取り組み、1963年10月には日本の囲碁の代表団を中国に招待している。)。

1984年に私は揚州に行ったとき、偶然常昊と対局の機会を得ました。この子は大したものだ、と上海に呼び寄せ弟子にしたのです。これを運気、巡り合わせと言わずに何と言うのでしょう? 
中国はこんなに広いのに、自分の力だけでなく、引きあわせてくれる人がいるのです。囲碁の学習で一定のレベルに達した後、もし私や俞斌のような後ろ盾があれば上のレベルに上がることは容易になるかもしれませんが、そうでなければ難しいでしょう。

(※俞斌(ゆ・ひん/Yu Bin ユ・ビン )は中国の棋士。とくに中国女流棋士の育成に力を注いできた。以前「羽扇綸巾」の記事で紹介した棋士です。)
 
成都商報:聶衛平さんのお弟子さんは活躍めざましいですが、現在どの若手に着目されていますか?
聶衛平:常昊や古力の後、私は弟子を取っていないのです。主に道場で学生を受け入れて碁を教えています。そのなかで檀嘯と趙哲倫は例外です。彼らは毎週私のところに来て、私の指導を直に受けます。檀嘯への指導が比較的多いですね。



成都商報:これはつまり彼らが一流棋士になる見込みがあるということですか?

聶衛平:今の私は忙しく、檀嘯も我が家に来たことはありません。ただ普段指導してやるだけです。私は檀嘯にずっと注目しています。彼には世界タイトルを取れると見ています。古力、常昊といった弟子の後一番よく見ているのが彼です。


成都商報:あなたが弟子にする基準とはなんでしょうか?

聶衛平:能力は必須ですが、私が感じるのは打ちぶりのよさです。
ただ私はもう年をとって疲れてしまった。もう弟子は取れないでしょう、もうムリですね。


 


◆何もなければ、寝るもんです。

成都商報:四川の囲碁チームは降格してしまいました。控えの力量が不足していたのが大きな原因です。皆、四川の若い後継者にあなたの道場で碁を学んでほしいと思っています。

(※中国国内の囲碁のプロ棋戦は地域対抗の団体リーグ戦がメインで、チームの間で棋士のトレードもある。
(いわば日本のサッカーのJリーグのように。)
トップの甲級リーグの下に乙級、丙級リーグがある。甲級12チームからは下位2チームが乙級に降格する。四川は2010年シーズンに、12チーム中11位という成績不振で甲から乙にランクダウンした。)


聶衛平:四川の降格はとても残念でした。それで今回私は西南王棋戦の前に決定をしたんです、今年の5月から成都(四川省の省都)で四川チームの甲級への再昇格をサポートしようと。
今、わが道場の門下生は甲級に1チーム(6人)をなすほどいて、丙級には2チーム分、乙級にはいませんが。
そういうわけで、わたしは仲裁委員会主任の身分として参加しますが、目的は四川囲碁の応援です。



成都商報:なぜ突然このような決定を?


聶衛平:私は四川に特別な感情を抱いています。1979年に来たのを始めとして、私の最初の妻も四川の人でした。つまり、これは私が四川の囲碁のためにできる唯一の事なんです。



成都商報:今回の西南棋王戦の期間に、あなたがまた会見場で規律を乱していると言う人もいました。このような(批判を受ける)場合、ご自身にはいつもそういうお考えはないようですが?


聶衛平:私は寝てたんです。二度寝してました。側の司会者の王元さんが起こしてくれなければ私はまだ寝てました。睡眠はいたって正常で目を閉じればぱたっと寝てしまうんです。 そもそも会見場でわたしに何事もなかったら、私はどうしたって寝るもんですよ?! 
実際、中央電視台の番組『芸術人生』の収録の時にもこういうことがありました。司会の朱軍さんが個人的に私に尋ねたとき私はこんなふうに答えたんですよ、寝るべき時に寝るものだ、と。当然、わたしは対局の時には寝ませんし、寝るべきでないときには寝ないんですヨ。


(※中央電視台の番組『芸術人生』での聶衛平さん爆睡映像はこちら。
http://www.tudou.com/programs/view/PZLq56Pulxs/  
わたし個人の印象ですが、聶衛平さんが会見などの場で眠ってしまうのはふざけているのでも何でもなく、体質か服用する薬の作用ではないかと見えます。)

 


成都商報:今はあなたのような個性的な棋士は少なくなりました。


聶衛平:そうでしょうなー。言うまでもないことでしょうが。
現在、多くの棋士は「コミュニケーション力が低い」。
言いたくないですが、今後はライバルを見つけるのも困難になるでしょう。今回の西南棋王戦の局後検討で、わたしは初めっから終わりまで対局相手の声を聞きませんでした。私もどう返せばいいか分かりません。

 

成都商報:最後に俗っぽい話になりますが。
結婚は棋士の成績に好影響を与えると言われます。(韓国の)李世石(イ・セドル)、李昌鎬(イ・チャンホ)もそのようです。聶衛平さんはどう思われますか?

(※聶衛平さんが再婚して孫と変わらぬ年の小さい娘をもうけて現在もなお棋戦に意欲的なので、その辺りを聞きたいらしい。)


聶衛平:穏やかな家庭は間違いなく棋士の成績の支えとなります。棋士が年頃の青年なら、きっとたくさんの女性が彼を追っかけるでしょう。花に目がくらんで精も根も尽き果てて、碁を打って気散じをすると言うことがあるかもしれません。現在の私の弟子にもまだ片付いていないのがいます。古力もまだ身を固めていませんしね。


インタビュアー=成都商報記者 蓋源源

 


・・・以上、翻訳おわり。



ここで終わるんか〜というインタビューの終わり方ですが、こういう終わり方でした。
塔矢行洋との共通点はパワフルなとこだけでキャラクターはそうじゃなかったですね。^ー^

タグ:聶衛平
posted by もっも at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「朝鮮童謡選」に見る近代以前の朝鮮の碁

「朝鮮童謡選」に囲碁の出てくる童謡が二点収録されていたので紹介します。

51iovHMBAVL._SL500_AA300_.jpg

本書は1920年代に東京在住の朝鮮人から採集した口伝民謡のうちの童謡の選集。
金素雲の訳編による。
年号から分かるように、日本が朝鮮を併合していた時代の採集です。

手元の本の奥付によると1933年(昭和8年)初版、これは1972年改版分の2005年13刷。

---------引用1ここから

ぶくぶく背中の疣(いぼ)がえる
なんでお背(せな)がふくれたの
全羅監司(ジョンラカムサ)をしたときに
道楽しすぎて ふくれたよ


ぶくぶく背中の疣(いぼ)がえる
なんでお手々が真赤(まっか)いの
全羅監司をしたときに
碁を打ちすぎて 赤(あーか)いよ


ぶくぶく背中の疣(いぼ)がえる
なんでお目々が大きいの
全羅監司をしたときに
睨(ね)めつけすぎて 大きいよ

---------引用1ここまで

※ 監司は一道(行政区画)の長(おさ)。全羅監司は全羅道の長。

---------引用2ここから

呼んだは 誰だ
呼んだは 誰だ
一つ星どんが 見えて
碁でも囲(かこ)もと よびなさる

--------引用2ここまで


この選集の原本「諺文朝鮮口伝民謡集」には二千四百首が収録されていました。
童謡に描かれないことは分かりませんし、訳語の「碁」が、現在の「碁」を同じ物を指しているかどうかここでは確認できません。
併合下の採集ですが、ここで描かれる碁が日本の碁の影響を受けたものかどうかは不明です(個人的にはこの時点の朝鮮の碁の発展は日本とはあまり関係ない気がします。このあたりの資料や研究があれば知りたいところです。)

氷山の一角たる引用の2点に描かれる情景は日本にもあっただろうと感じられるものです。

1のうたは権力者・地位者をからかうパターン。
お偉いさんは道楽にふけり、庶民を悠々と監視している。
「碁を打ちすぎて手が赤い」には職務に勤しまず有閑な姿を皮肉る視線を感じます。

2のうたは日暮れの歌。
大人子どもが一日の仕事や遊びを終えて家に戻り盤を挟む、ほのぼのとした団欒が見えるようです。

高官はもしかしたら政治的下心――たとえば誰かに接近したり交渉したりする手段――のために碁の腕を磨いたかもしれません。
仕事を部下任せにして自身は暇を持て余して碁に興じたかもしれません。
庶民は昼間の仕事の後に碁を家族や近隣の友との娯楽としていたのでしょう。
高官だって、碁が好きでなければ手が腫れるまで打ったりはしないでしょう。

たしか趙治勲さんの話で聞いたものですが、
朝鮮韓国ではかつて「碁打ち」はアウトロー的な存在で一般の世界とは離れているものだったそうです。
プロの組織もなかった、それで自分は碁を打つことが職業として成立している日本に来た、と。

わたしはそんな話から、プロが成立する以前の朝鮮韓国の碁は長年に渡ってすさんだおどろおどろしいものだったのかしら・・・と漠然とイメージしていました。

しかし、決してそればかりではないらしいことが昔の童謡から垣間見れるようです。

posted by もっも at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 近代の碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月28日

チェス界で携帯カンニング・・・

日本では先日、大学入試での携帯を利用したカンニングが話題になりましたが、国際チェス大会でも携帯を利用した不正事件があったそうです。

thestarphoenix.comのページ(英語)
チェスのスター選手が携帯でカンニング

 

sohu.com掲載の北京青年報の記事(中国語)
フランスチェス協会、ワールドカップでの不正を明らかに――関与の選手・コーチを厳重処分


(上記の2つの記事の内容をまとめた事件概要)


フランスチェス協会は以下のように国際大会で自国チームに不正行為があり関与の人物を厳重に処分したことを明らかにした。史上最大のスキャンダルはチェス界を震撼させた。

2010年9月にロシアで開催されたチェスワールドカップで、フランス代表チームの3人が共謀して組織的にパソコンと携帯を用いた不正行為を行っていた。
試合を傍観するコーチ兼主将Hが局面を知らせ、別室の選手Mがパソコンで最善の手を検索して対戦中の選手Fの携帯に送信。大会中に秘密のショートメールは約200件、三人は数字の暗号でやり取りをしていた。
フランスの低ランキングの選手Fが高ランキングの選手への勝利を続け金メダルを獲得したことから不審の声が上がり、フランスチェス協会が調査を進めていた。


同協会は厳重に処分。
送信役の選手Mは5年間の出場停止、受信役の選手Fは3年間の出場停止と2年間の社会奉仕(社会奉仕を拒否した場合はさらに2年間の出場停止)、コーチHは同協会での選手・コーチ活動を終身禁止とした(選手FとコーチHは決定に同意していない)。


---------



NOOOOOOOOOOOOO!!!!!

それにしても・・・やろうと思えばできちゃうんですね。

不正をするときには良心の呵責もあるだろうし、何が彼らにそこまでさせたんだろう、と思います。
posted by もっも at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | チェス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月26日

「天地明察」マンガ化☆

小説「天地明察」が『月刊アフタヌーン』で連載漫画化されるそうです。

200907000044.jpg


4月25日発売予定の6月号からスタート。
作画は槇えびし (まき・えびし)さん。

情報はgamer.com.twの記事から。
リンク先には漫画のサンプル画像もあります。

ご自身のイメージする渋川春海/二世安井算哲でしたか?
17歳の道策やほかのおじさん連中(というとアレですが・・・^^)がどんなキャラになるのか楽しみです。



※原作者の冲方丁(うぶかた・とう)さんは今回の震災の影響で、居住地としていた福島県から北海道の十勝に数日かけて移動されました。資料もほとんど持ち出せなかった状況で新作の『光圀伝』を描き続けておられます。
ご自身のブログでは、物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」 ということについてまとめておられます
(今このようにネットにつながる状況で、自分も何か・・・と切歯扼腕あるいは周章狼狽されている方には冲方さんのまとめ記事も読んでいただきたいと思います。)



posted by もっも at 20:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 天地明察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月25日

孔令文六段へのインタビュー和訳

前回の記事でちらっと紹介した孔令文六段へのインタビュー。
やっぱりがんばって訳しました。

地震関連ブログにするつもりもないんですが、
今回の東日本大震災(東北太平洋沖地震)を中国での報道や関心の様子、孔令文さんの考えや見方など、ちょっと違う視点から見られるのではと思います。地震当日の棋聖戦(挑戦手合第六局、張栩棋聖−井山裕太名人)のこともまた出てきます。



孔令文(こう・れいぶん)六段は、日本棋院所属。
父は聶衛平九段、母は孔祥明八段(ともに中国囲碁界の先駆的存在)。
中国での国際棋戦には団長などの立場で参加することも多い。
昨年2010年は囲碁雑誌『月刊碁ワールド』に「勝負の赤壁(レッド・クリフ)」と題したエッセイを連載されていました。中国の囲碁事情を紹介しながら現在の日本の課題をふつうの辛口で取り上げる論考。

2009年8月孔令文さんの講演「海外における囲碁事情」レポートは下記の過去記事に。
東大囲碁フェスティバル「コンピュータ囲碁の現在」ほか


例によって素人訳です、ご指導よろしくお願いします。今回は難しいところがとくに多い気が・・・(;;)
カッコ※印のところは当方の付けた注釈です。

元記事はTOM棋聖道場サイトに掲載の華西都市報の記事。
 
ここから記事和訳→→


華西都市報記者の越洋、聶衛平棋聖の子に電話インタビュー
http://post.weiqi.tom.com/s/F30008CB5929_1.html
(華西都市報 2011/3/18)



◆孔令文、東京にて「我ながら《まったり》してる」


昨日午後、東京の隣に位置する神奈川県はひどく寒かった。家にいた孔令文六段は少し喜んだ。しばらく停電(の予定)がなかったからだ。暖房は正常に動いているし、携帯も通じるし家の電話もふだんのように使える・・・。

日本のメディアが報道しているように、今週火曜(3/15)、東京・神奈川で放射能量が一時通常の9倍レベルに上がった。福島県の原発事故の影響で住民一人ひとりの心には重い石がのしかかっている。

(※元記事では「福島核泄漏事件」となっていますが、一連の事象をこの表現でまとめるのは正確ではないと当方は考えるので、日本語訳では「原発事故」としました(これが適切かどうかも分からないのですが)。以下同様。)


交通機関はいつもどおり通勤客でいっぱいで、その一方街にはガソリン・食料・飲料水を求める人が溢れている。昨日の孔令文はマイペースなもので、その波に加わらなかった。日本棋院に車で40分かけて絶対行かなくてはならないといった差し迫った予定もなかったし、買い占めには自分自身が強い反感を抱いているからだ。



 

停電について、とりわけ放射能量のレベルについて関心をもって尋ねると電話の向こうの孔令文は笑って答えた「自分は《まったり》してるんだろうね」。

(※ここでは「まったり」と訳した語、元の記事では《淡定》が用いられています。
今回の地震・原発災害に際しての日本人の行動(行列など秩序の順守、相互扶助・職務遂行の姿勢など)を中国のネットニュースでは多く《淡定》と報じたそうです。《淡定》は大きな状況変化下での穏やかな態度や行動を表します。
「よくまあこの大きすぎる変化状況で慌てないものだ、危険や恐怖を感じないの?」というニュアンスがあるかんじ。ネット語らしいのでこういう訳語も使えるのでは、と考えてみましたが・・・。
英語では「zen mode(禅モード)」なんて表現もあります。)


しかし、家でおもちゃで遊んでいる6歳の息子孔徳志を見るたびに不安が襲ってくる。
「母(孔祥明八段)はずっと私に息子の徳志を成都に連れてこいと言ってます。原発の状況がますます悪くなるんじゃないかとみんな心配してるからって。
・・・大人のことはともかく子どものことは・・・考えなくてはいけませんね」
孔徳志はまだこのような事情の分かる年ではなく、棋力も5級に過ぎない。しかし碁界から見れば、またとない血をひいているのだ。父方の祖父は聶衛平九段、母方の祖父は小林覚九段。ともに日中両国の囲碁史に名を残す名棋士だ。

棋聖の子・孔令文は東京近郊にいて、今はほかの人たちと同様時おり複雑な心境を見せる。




◆棋戦の日程は依然確定せず


華西都市報:日本の地震の後、ご自身の生活にどのような変化がありましたか?

孔令文:地震の当日は都内の交通がほとんどマヒしてしまい、見るからにみな混乱していました。しかし数日たって落ち着きを取り戻しつつあります。明後日19日に日本棋院はアマチュア向けの営業を再開します。
ただ、プロアマ両方影響は少なからず受けました。
私の場合、毎週二回棋院に行くのが普段のスケジュールです。月曜が早碁で木曜が持ち時間3時間と長い対局。
今日3/17は家にいるときに棋院から対局延期の通知を受けました。主に停電の影響を避けるためです。
プロアマ両方とも地震から近い日付の棋戦は大多数が延期されました。長い目で見ると影響はそれほど大きくならないでしょう。原発関連の状況が悪化しつづけない限り・・・私の知る限り、富士通杯(世界プロアマ選手権)の日程を変更するかどうかは状況を見ての判断です。



華西都市報:停電は一般家庭にも影響がありますか?

孔令文:もちろんです。例えば停電になると今日こんなふうに電話はできません。それにいま神奈川は寒いから停電になると家の中の者は寒くて震えてしまうでしょう。停電時間中は固定電話のほか携帯の回線にも制限が生じます。だから数日前父の聶衛平が私に何度電話をしてもつながらなかったということがありました。後で私の友人を通じてすぐ無事を伝えましたが。地震のあと首都圏は電力使用量に制限を受けています。ある電力量を超えると通知が行って停電となります。普通の状況下では停電3時間というのは、長いですね。
 
 



◆買い占めの前に、被災した人を気にかけて。

華西都市報:聞くところによると、棋聖挑戦手合では、張栩棋聖と井山裕太名人は余震の危険をおして対局を終わらせたそうですが。ここから、プロ棋士というのは地震のような状況でも強靭な精神力を持っていると言えるでしょうか?

孔令文:人によりけりでしょう。わたしは地震に敏感な方ではないと思いますが(笑い)。棋聖戦の会場は海辺ではなかった(※津波の心配はなかった)のでこれは常識の判断だったと思います。一般に余震の被害は大きくありません。
日本は先進的な地震予報を有していて、地震の直前10秒前に携帯が警告音を知らせてくれるんです。ただし10秒間は何をするにも足りない。だから多くのプロ棋士は対局の時に余震の警報を聞いても気にしないんでしょう。そういう時には騒ぐほどに事故が発生しがちなものです。




 

華西都市報:中国の国内では食塩を買い占めるという現象がありました。東京ではこのような状況はありますか?

孔令文:あります。主にガソリンや食料の買い占めです。皆原発事故で不安になっているのです。
え? 成都の人も食塩を買い占めてるって??
(記者が説明すると、孔令文は笑った。)

(※中国では今回の日本の原発事故の報道を受けて、ヨウ素入の塩を食べると放射能被害を防げるといった風説が流れ食塩の買い占めが起こった。実際には塩に含まれるヨウ素は微量で放射能予防効果はなく、むしろ塩の多量摂取が別の健康被害を招くとしてWHOは注意を呼びかけた。3/25現在デマはすでに収束。)


あー、そんな心配要らないんじゃないですか? 私は以前物理をちょっと勉強したので一般の人より原発事故は幾分理解できるんですが。原子力発電所がかりに爆発したって、影響の及ぶ範囲は1000キロを越えないでしょう? 中国は今回の事故の地点からうんと離れてるんですよ。なんで買い占めの必要がありますか?


(※孔令文さんは中国の読者向けに過剰な反応を戒めるためにこのように表現しています。情報は各自冷静に収集判断を。)



私は都内の買い占め行為にも反感をいだいています。そうしたくなる気持ちは分かりますが、被災地の人のことを考えなくてはならないでしょう? 我々が買い占めたら被災地への物資が不足します。
これはいけません。これは大局観に則ったやり方ではありません。
生きるとは相手に沿い無理をしない(順其自然)ということです。


(※「順其自然[shunqiziran]」を「相手に沿い無理をしない」と(とりあえず)訳しましたが、下にも出てくる武宮九段の自然流と通じる考え方のようで・・・当方には難しい。自然流と中国語に詳しい方、ご指導ください。)

 



華西都市報:大局観ですか? 囲碁は人生のごとしですね。
プロ棋士として囲碁用語を使って、孔令文さんが今回の地震から感じたことを表していただけますか?


孔令文:このことについては振り返る時間が無いのですが・・・もし言うとすればそうですね、自然に沿う(順其自然)です。武宮正樹先生は宇宙流と呼ばれるのを好まず、自然流と呼ぶそうです。一切は相手に沿い無理をしない、そのようにすれば本当に強くなります。
例えば、停電の度に私は自分に言います、今まさに大変な被害に遭われている皆さんを思いやるのだと。その方達は努力されているのに、私が遠い東京でなにをくよくよすることがあろうか、と。



華西都市報:震災の間に他の人を助ける方法についてお考えになりましたか・・・?

孔令文:もちろんです。私は被災地のために義捐金を送るつもりです。金額ではなく、自分の気持ちを伝えるためです。
生活は継続していかなくてはなりません。生活が混乱に陥るようなことがあってはなりません。
家庭については、私の最大の願いは自分の子どもがこの時期にいかなる傷も負わないよう守ることです。


華西都市報:ありがとうございました。最後に、当紙のインタビューを通してご両親に伝えたいことがありますか?

孔令文:別にないけど。
母は成都にいて一日に二度も三度も電話をくれます・・・そんなにしてくれなくていいと思うときもあるんですが、電話が必要なときもありますし。私も子を持って、親というのは子どもが気になってしようがないものだと知りました。どの電話も年寄りの一時の慰めです。




◆日本スポーツ界も揺れる−中国、卓球アジアカップに不参加

華西都市報(記者陳甘露)

昨日午後の報道によると、中国等5チームが日本での卓球アジアカップに不参加の意を表明したため、日本卓球協会は3/26〜27に横浜で開催予定だった同大会を開催しないと発表した。
この他、外国人コーチ・選手の離脱でトレーニングの無期限休止を発表しているサッカーチームもある。Jリーグも無期限試合中止としている。

(※ここに地震災害のスポーツ界への影響事例が紹介されるのは、中国では囲碁はスポーツのカテゴリーとなっているため。情報は3/17現在。)




◆日本棋士らは訪中できるか。


華西都市報(記者賣知若)

「今回中国に行くのは日本語で言う《合宿》、(中国で言う)《集训(=集団訓練)》が目的です。
当初は3/22から北京の中国棋院で指導を受ける計画でしたが、現在チケットなどの手配が済んだところ。
ただ気になるのは福島原発の影響。もし大阪・名古屋の若手が東京に来られなければ、私たちは出発しようがない」昨日聶衛平棋聖の子孔令文六段は本紙記者・越洋に電話インタビューでこのように語った。


(※実施に不安があったようですが、TOM棋聖道場の別記事で写真入りで紹介されているように孔令文の引率で日本の若手棋士10名が北京入りしました。常昊ら中国のトップ棋士らも胸を貸しています。)

 
←←以上、記事和訳終わり。
 
 
 
タグ:孔令文 地震
posted by もっも at 17:09| Comment(5) | TrackBack(0) | インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月24日

正官庄杯:吉田美香八段が勝利

ソウルで行われている正官庄杯、吉田美香八段が中国の唐奕二段に勝ちました。

唐奕二段(黒)ー吉田美香八段 白1目半勝ち(リンク先棋譜再生:つぶや棋譜)

唐奕−吉田美香.JPG

TOM棋聖道場の記事(画像も多い): 

(記事大意)
「日本は本大会初勝利だ。
すでに日本選手四人が負けているので吉田にはプレッシャーが大きかったが勝つ気十分だった。
序盤吉田がコウに持ち込まれたとき観戦者らは終わったと見た。
吉田本人の感想:自分は序盤が悪かった、中盤の形勢判断も誤りがあった、しかしそれで唐奕は楽観しすぎたようでヨセで誤ったので逆転のチャンスが転がり込んできた。

吉田はタイトルから05年から離れている。子育てもまた鍛錬だと笑うが、この数年は碁の勉強時間を取れていないようだ」

記事の最後は

《明日争取将布局下好些。》

という一文で締めくくられていました。

こういうちょっとキザだけどカッコイイ決め方って中国語の囲碁レポート記事に多い。


うーん・・・
なんかふくみの多い表現のようで上手く訳せない、パス!^x^
中国語有段の方、かっこよく寄せて決めてください。


明日、吉田美香八段の相手になる韓国の二番手は金美里初段が有力なんだそうです。




※おまけ:TOMの別の記事によると、孔令文六段の引率で日本棋院の若手10名が北京に修業に行っているそうです。
「日本語で《合宿》という」と説明がありました(^ー^) 中国語で「集训[ji2xun4]:集団訓練」。

藤沢里菜初段や若手プロのほか、院生も3名ですって。
孔令文さんへのインタビューもあって、日本の地震、原発事故の日本の囲碁界への影響のことを聞いていたり、いろいろ興味深いです。
posted by もっも at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月22日

正官庄杯:文度媛二段、8連勝ならず

3/22、韓国ソウルで日中韓女流団体戦の正官庄杯の第8局が行われました。

勝ち抜き方式で、1月に中国杭州で韓国の文度媛二段が怒涛の7連勝の記録を立てて注目されました。
1ヶ月半のインターバル後、今日から第二ステージを韓国に移しての一戦で韓国メディアも注目していたようですが、文二段は中国の唐奕二段に中押しで敗れました。

正官庄杯第8局 唐奕二段(黒)−文度媛二段 黒中押し勝ち(リンク先棋譜再生:つぶや棋譜)

唐奕−文度媛.JPG

TOM棋聖道場には中国語の解説付き棋譜があります。
(文字化け防止のため、Ino Diaryさんの棋譜再生スクリプトの導入を推奨。)


今日勝った中国唐奕二段に明日23日挑む日本の主将は吉田美香八段です。
唐奕二段の後には芮廼偉九段が中国主将として控えています。
韓国はまだ四名残っています。

明日は地震で中断となっていた女流名人戦の第二局(謝依旻女流名人−向井千瑛挑戦者)の再開 も14時からあるそうです。
タグ:唐奕 文度媛
posted by もっも at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ペア碁で優勝した

週末、チャリティ囲碁オフ会というのに参加しました。

今回の大震災での被災者支援のために参加費や物品の購入を通して募金出来る仕組みで、各自の募金も預かってくれるというものです。

自分もチャリティバザーに物品拠出したり欲しかったものを手に入れたりしたのですが、そんなことより、

わたし、ペア碁13路の大会で優勝しました♪

ふだん一勝にも縁遠いのに優勝!!

ペアを組んでくださったTさんありがとう☆

(パートナーのTさんは6段でものすごく強い。対戦相手の人はみな「えっ、Tさんが黒で置き石?!」と動揺します(そのおかげで勝てたんだと思います)。わたしの級位でそういう手合割になっちゃうのです。)

足を引っ張らないように念じつつ、2局目では生まれて初めて相手の地を荒らして投了させる、をがんばれました。
(配石とか覚えてないけど^^ 見合いにできた。)
「おお、そんな強手が!」と褒められました。
Tさんが下辺を寄せてる間にわたしが上辺の白を荒らしてるので相手は大忙しになってしまいました。
ペア碁は鍛えられる、というのを実感しました。

わたしがつくる碁(ぐだぐだ)じゃない。
勝つってこういうふうにやるのか・・・。


最近びっくりした動画よりもびっくり。


巨大卵の中には・・・

普通の卵の3倍の重量、192グラムもあるニワトリの卵。
中はどうなっているでしょう?

ウハーッなリアクションもなっとく。
らばQの記事より。


こういうのを二重卵というそうです。



そうそう、「卵」は春の季語でした。
(春卵(はるたまご)とも言う。今はニワトリが年中提供するよう作られているので旬が分からないけれど、野鳥の産卵は春が多いですよね。)

春は新しいものが産まれる季節です。
posted by もっも at 18:54| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月18日

耳を傾けるという支援

大地震から一週間経ちました。
ものすごく長かったような、あっという間だったような・・・

災害支援ってなにがあるでしょう。
金銭も物品も人手も大計画ももちろん重要だけど、話を聴くって重要と感じます。

友達や親戚やご縁のある方が地震の影響のあった地域周辺にお住まいの場合、地震直後の無事を確認してそれっきりにならなければいいなと思います。


被災地やその周辺の方たちも、公私で支援に関わる方も、初期の緊張から疲労を自覚しはじめる時期だと思います。
時間と共に心身に疲労が溜まってくるのに、家庭内や近所や職場ではお互い大変なんだから、自分は被災したわけではないから、もっと大変な人もいるんだから、となにも言わずにこらえることもあるでしょう。
遠方の相手にだからこそ気兼ねなく愚痴をこぼせることもあるかもしれません。
聞き手は自分一人では解決できない問題の大きさに驚いたり、分かってくれないと苛立たれて戸惑ったりすることもあるでしょうが、話し手はアドバイスや具体的な支援を求めているばかりではないと思います。
ただうんうんと話を聞いて感情をシェアしてくれる人がいる、自分の存在を気にかけてくれる人がいるというそのことだけで、重荷が少し楽になることもあります。

ときどき遠くから電話やメールで相手を受け止める心のスペースを提供するのも支援だと思います。
 


被害の有無にかかわらず、情報に翻弄されない、無駄を省き買い占めをしない、普段通りの生活をすることが大切と思います。これも全国的ライフラインの復旧安定につながる間接的支援です。

どの地域にもほんとうに今すぐ牛乳やロールペーパーやガソリンが必要で買いに行く方がいるのに、衝動的な買い占めでそれが届かなくなるなんて全くナンセンスです。


来週前半には消費者も落ち着くかな。
昨日は売り切れだった牛乳が今日は残ってたのでほっとしました。

タグ:地震
posted by もっも at 19:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月15日

張栩の父が見た地震当日の棋聖戦

前回、東日本巨大地震当日に棋聖戦第6局を終局させた張栩棋聖の心境に取材した記事を訳しましたが(リンク先:前回の記事)、
今回は、張栩さんのお父さん、台北に住む張遠錫さんの側から見た本件を取り上げた記事を。


元記事はTOM棋聖道場
http://post.weiqi.tom.com/s/AD00091B3689.html


以下拙訳→

記事タイトル:張栩「地震下の一局」で棋聖防衛


台北在住の張遠錫(ちょう・えんしゃく)は台湾囲碁界の仲間と話しながら第35期棋聖戦第6局をネット観戦していた。
その日の彼の最大の関心事項は息子張栩棋聖が井山裕太名人に勝つかどうかであった。

普段と変わらぬ観戦だった。突然PC画面が真っ暗になったが張遠錫は変だとは思わなかった。ネットは回線の不具合で中断することもあるから大した問題ではなかったのだ。
東京からはるか西の山梨県にいる張栩さえはっきりと揺れを感じた(ほどの大地震がどのようなものか)とはだれにも分かっていなかった。
地震発生時、張栩は意に介さず対局を続行させた。
「知らぬは当人ばかりなり(当局者迷、傍観者清)」とはよく言ったものである。


(棋聖戦会場では)事態を重く見た立会人の橋本雄二郎九段が両対局者に対局室を離れるよう急かして避難させた。
このとき(震源地に更に近い)東京の日本棋院では第23期女流名人戦が行われていたが、謝依旻五段と向井千瑛四段は一度対局室を離れると恐怖で戻れなくなった。
一方の張栩と井山裕太はしばらくして対局を気がかりだとして、余震がやまないにもかかわらず対局室に戻って対局を継続させた。第138手の時、余震が続いて全く対局できなくなったが、それでも両者はなんとか対局を粘った。最終的に346手の激戦を経て張栩の黒が1目半を残して井山裕太を破り、棋聖の防衛を果たした。


終局後、張遠錫は日本の大地震の状況を知るにつれて気が気ではなくなった。
張栩には何度電話をかけてもつながらない。
ならばと張栩の妻である小林泉美に電話をした。
翌日午後に張栩夫妻の無事を確認できるまで張遠錫は心配で胸が張り裂けそうだった。

張栩勝利のこの一局は注目され、「地震下の一局(地震之局)」として岩本薫と橋本宇太郎が原爆投下の中対局を完成させた逸話(1945年の原爆下の一局(リンク先:wikipedia)になぞらえて報道するメディアもあった。
しかし張遠錫はこれは英雄美談のようなものではないと言う。
「『地震下の一局』とはメディアの呼び方です。」

張遠錫がようやく安堵できたのは、小林泉美が無事を伝える電話のときだったのだ。


←訳ここまで。

本局を棋譜のほかに、当日の地震被害状況、日本棋院建物の外に一時退避する棋士らの画像や日本地図も交えて伝えるtom.comの記事
http://weiqi.sports.tom.com/2011-03-11/00UP/27905213.html


posted by もっも at 16:46| Comment(0) | TrackBack(0) | インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。